『ねこと私とドイッチュラント』ながらりょうこ)

『ねこと私とドイッチュラント』(ながらりょうこ)を読んだ。猫と同居、海外、と読まない理由がないので購入。期待どおりのおもしろさだった。

 

主人公のトーコちゃんは日本人、女性、ドイツでむぎくんという猫とふたり暮らし中。仕事は文筆業?(作中で明示されていないが、PCに座り込み作業している様子がある)。そんなふたりが、ドイツでゆったり暮らすなかで、出会う食事、食材について丁寧に描かれた作品である。著者のながら先生がドイツで暮らしながら書かれているので、細かな生活の様子が伝わってきてイメージが湧きやすい。特にドイツ語は普段なじみがないので、(かといって、英語ができるわけでもない)単語だけでは何の料理かわからないことが多々ある。その点、イラストが付いていて、食べる様子も描かれていると、わかりやすくて助かる。

 

あくまで、暮らしの中で出てくる食事、なのでゴージャスなものはあまり出てこない。現地の材料で作るおむすび、目玉焼き、焼きソーセージ、ジャーマンポテトなど。

ジャーマンポテトは、ドイツでは「ブラート カルトッフェルン」というものに当たるらしい。ただ、今一回タイプしただけで、心が折れたのでここから先はジャーマンポテトで許してほしい。現地の様子が伝わってきて楽しい、といった矢先にこれで申し訳ない。(作中では、きちんとドイツ語表記で書かれています)

 

ジャーマンポテトは家ごとにレシピが違う、というのは新たな発見だった。勝手にベーコンと芋、と思い込んでいたが、芋煮が家庭ごとに違うように、ジャーマンポテトにも個性があるに決まっている。芋はクリスピーに焼くのは、大体共通するらしい。

 

クリスマス・マーケットの屋台のごはんもどれもおいしそうでそそられる。カルトッフェルプッファーは日本の材料でも作れそうなので作ってみたい。揚げた芋はうまいに決まっている。そして、それを食べるむぎくんがかわいい。

 

作中には様々な食べ物が登場するが、はるか昔、「とびだせ どうぶつの森」時代に、配信されたアイテム、「ベルリーナー」がどんなものだったのかもようやくわかった。なんで名前がベルリンなの…??という謎も解けた。「さつま芋」とほぼ同じ原理だった。カロリーの爆弾のようなお菓子だが、めちゃくちゃおいしそうなので日本でも普及してほしい。(特にリキュール入りのやつ)

 

最新話では、いろいろな種類のキャベツが出てきた。小さいとき、何かの本ででできた「しわしわキャベツ」の正体がわかり、ちょっと嬉しかった。読み終わると、ドイツ料理が食べたくなること必須である。