漫画

『わたしたちは無痛恋愛がしたい 〜鍵垢女子と星屑男子とフェミおじさん〜』(瀧波ゆかり)

「ここ10年の最大の成果は」「私が言葉を手に入れたことです」 (『わたしたちは無痛恋愛がしたい 〜鍵垢女子と星屑男子とフェミおじさん〜』第11話より) 星置みなみ、23才、東京の会社員。パッとしない仕事とパッとしない恋愛(夜だけ現れる男、恵比寿千歳…

『谷崎マンガ変態アンソロジー』

『谷崎マンガ変態アンソロジー』(中公文庫)を読んだ。2016年に生誕130年を記念して刊行されてた『谷崎万華鏡』を再編集し文庫化したもの。榎本俊二、今日マチ子、しりあがり寿、中村明日美子、古屋兎丸、山口晃ら豪華作家人による谷崎の作品をテーマにした…

『違国日記』(ヤマシタトモコ)

日記を書くというのはひどく孤独で危うい行為だと思う。土佐日記、和泉式部日記、断腸亭日乗、戦後日記、日本文学だけを取り上げてみても、日記に仮託された(あるいはそこから生まれた)作品は数多くある。半ばいつか誰かに読まれることを期待して――とまで…

『地図にない場所』(安藤ゆき)

『地図にない場所』(安藤ゆき)を読んだ。表紙の淡いカラーが美しくて、思わず購入。帯に「人生終わった2人の、ご近所探訪記」とあるように、フランスのバレエ団に所属していたのに、足の怪我(後に作中で怪我は嘘で母親の死から、目的を失い自らの意思で退…

『スキップとローファー』(高松美咲)

今更ながら『スキップとローファー』(高松美咲)を読んだ。「石川県のはしっこのほう」から東京の進学校に首席入学した岩倉美津未(いわくら みつみ)とクラスメイトたちとの高校生活を描いた作品。元子役で学校でも目立つくらいの爽やかイケメン志摩聡介、…

「生理」と漫画

自分用のメモみたいなものです。生理が出てくる漫画ってどんなのがあったかなあという。 ・『ねりんぐプロジェクト』(藤田まぐろ、りぼんマスコットコミックス) 主人公は粘土版ピノキオ(のような感じ)。見た目は小学校高学年くらいの女の子。人間社会の…

『女の園の星』(和山やま)

『女の園の星』(和山やま)を読んだ。和山先生の女子校を舞台にした作品と聞いて、わくわくして購入。前作の『夢中さ、きみに。』は男の子が多かったので、どんな女の子が描かれるんだろう?先生の美しい筆致で…と期待に胸を膨らませながらページをめくった…

『扇島歳時記』(高浜寛)

『扇島歳時記』(高浜寛)を読んだ。表紙の美しさにひかれて購入。着物エプロンとか、レースとか、袴にブーツとか、和洋折衷なファッションっていいよね…。好き。よく見ると、ポストカードになっているところも芸が細かい。 1860年代の長崎・出島、丸山遊郭…

『風太郎不戦日記』(漫画:勝田文、原作:山田風太郎)

『風太郎不戦日記』を読んだ。忍法帖シリーズなどでしられる、小説家 山田風太郎の『戦中派不戦日記』を題材とした作品である。昭和20年当時、23歳の医学生だった筆者(山田風太郎)が日々の記録を綴っている。筆者によれば、自分はその頃作家になるつもりは…

『異世界もう帰りたい』(ドリヤス工場)

『異世界もう帰りたい』(ドリヤス工場)を読んだ。サラリーマンが異世界に召喚されたら…という話である。サブタイトルは「I Want To Go Back Home.」これだけで大体筋がわかる。 サラリーマン下山口一郎は、トラックの荷台で作業中、暗闇に閉じ込められ異世…

『ひとりでしにたい』(カレー沢薫)わけがない。

現在、カレー沢作品を読み返している。これまで五億回読み返したが、今回きっかけとなったのはカレー沢御大のこの記事であった。 rosia29.work よもや、と思った。『ひとりでにしたい』については、このブログでも書かせていただいた。 『ひとりでしにたい』…

『テロール教授の怪しい授業』(原作:カルロ・ゼン、漫画:石田点)

『テロール教授の怪しい授業』(原作 カルロ・ゼン、漫画 石田点)を読んだ。地方から都内の名門大学に進学した佐藤光一が、大学でテロリズムを研究するゼミに所属して…というのがざっくりとした内容である。佐藤は同学年の学生たち5人とすったもんだの末に…

『異世界失格』(原作野田宏、作画若松卓宏)

『異世界失格』(原作 野田宏、作画 若松卓宏)を読んだ。太宰治が主人公の異世界転生物である。読みながら、太宰治もここまで来たか、彼ほどよく目にする文豪もいないなと思った。 漫画では『文豪ストレイドッグス』(朝霧カフカ、春河35)、『文豪失格』(…

『働かざる者たち』(サレンダー橋本)

カレー沢薫御大がTwitterで前記事(『ひとりでしにたい』)をリツイートしてくれたそうである。こんなことになるなら、もっとわかりやすくゴマのひとつでもすった内容にすればよかったが、かといってアクセス数が爆発的に増えたわけでもなかったので、(桁は…

『ひとりでしにたい』(カレー沢薫)

『ひとりでしにたい』(カレー沢薫、原案協力 ドネリー美咲)を読んだ。モーニング公式サイトのモアイで試し読みしたときから気になっていたので、一巻発売後購入。『アンモラル・カスタマイズZ』を描いた人だから、きっと容赦ないだろうと思ったが、やはり…

「煙と蜜」とヘリオトロープ

ハルタで連載中の「煙と蜜」。本屋で見かけて購入してみた。大正5年の名古屋が舞台。表紙からして鮮やかな、いわゆる「大正ロマン」な雰囲気を存分に感じさせられますが、こういうテイストのものだと「帝都」あるいは、「京」が舞台でないのはちょっと珍しい…