2020-01-01から1年間の記事一覧

『少女マンガのブサイク女子考』(トミヤマユキコ)

買ったものの読まない本はある。『少女マンガのブサイク女子考』(トミヤマユキコ)もその一冊だった。読まねばという思いと、タイトルのごつさ、そして表紙のファンシーさが混じりあい、机の上で積まれたままだった。 なぜ買ったのかと言われれば、気になっ…

『扇島歳時記』(高浜寛)

『扇島歳時記』(高浜寛)を読んだ。表紙の美しさにひかれて購入。着物エプロンとか、レースとか、袴にブーツとか、和洋折衷なファッションっていいよね…。好き。よく見ると、ポストカードになっているところも芸が細かい。 1860年代の長崎・出島、丸山遊郭…

「ユリイカ 9月号 女オタクの現在-推しとわたし」

昔男性に「少女漫画は読まないから。」と言われたことがあった。 「ユリイカ 女オタクの現在-推しとわたし」(青土社、2020年9月)を読みながら、ふとそんなことを思い出した。 「少女」「漫画」「は」「読まない」、それが何を指すのか、「私の推した作品…

『風太郎不戦日記』(漫画:勝田文、原作:山田風太郎)

『風太郎不戦日記』を読んだ。忍法帖シリーズなどでしられる、小説家 山田風太郎の『戦中派不戦日記』を題材とした作品である。昭和20年当時、23歳の医学生だった筆者(山田風太郎)が日々の記録を綴っている。筆者によれば、自分はその頃作家になるつもりは…

『異世界もう帰りたい』(ドリヤス工場)

『異世界もう帰りたい』(ドリヤス工場)を読んだ。サラリーマンが異世界に召喚されたら…という話である。サブタイトルは「I Want To Go Back Home.」これだけで大体筋がわかる。 サラリーマン下山口一郎は、トラックの荷台で作業中、暗闇に閉じ込められ異世…

『ねこと私とドイッチュラント』ながらりょうこ)

『ねこと私とドイッチュラント』(ながらりょうこ)を読んだ。猫と同居、海外、と読まない理由がないので購入。期待どおりのおもしろさだった。 主人公のトーコちゃんは日本人、女性、ドイツでむぎくんという猫とふたり暮らし中。仕事は文筆業?(作中で明示…

『ひとりでしにたい』(カレー沢薫)わけがない。

現在、カレー沢作品を読み返している。これまで五億回読み返したが、今回きっかけとなったのはカレー沢御大のこの記事であった。 rosia29.work よもや、と思った。『ひとりでにしたい』については、このブログでも書かせていただいた。 『ひとりでしにたい』…

『テロール教授の怪しい授業』(原作:カルロ・ゼン、漫画:石田点)

『テロール教授の怪しい授業』(原作 カルロ・ゼン、漫画 石田点)を読んだ。地方から都内の名門大学に進学した佐藤光一が、大学でテロリズムを研究するゼミに所属して…というのがざっくりとした内容である。佐藤は同学年の学生たち5人とすったもんだの末に…

『異世界失格』(原作野田宏、作画若松卓宏)

『異世界失格』(原作 野田宏、作画 若松卓宏)を読んだ。太宰治が主人公の異世界転生物である。読みながら、太宰治もここまで来たか、彼ほどよく目にする文豪もいないなと思った。 漫画では『文豪ストレイドッグス』(朝霧カフカ、春河35)、『文豪失格』(…

『働かざる者たち』(サレンダー橋本)

カレー沢薫御大がTwitterで前記事(『ひとりでしにたい』)をリツイートしてくれたそうである。こんなことになるなら、もっとわかりやすくゴマのひとつでもすった内容にすればよかったが、かといってアクセス数が爆発的に増えたわけでもなかったので、(桁は…

『ひとりでしにたい』(カレー沢薫)

『ひとりでしにたい』(カレー沢薫、原案協力 ドネリー美咲)を読んだ。モーニング公式サイトのモアイで試し読みしたときから気になっていたので、一巻発売後購入。『アンモラル・カスタマイズZ』を描いた人だから、きっと容赦ないだろうと思ったが、やはり…

「煙と蜜」とヘリオトロープ

ハルタで連載中の「煙と蜜」。本屋で見かけて購入してみた。大正5年の名古屋が舞台。表紙からして鮮やかな、いわゆる「大正ロマン」な雰囲気を存分に感じさせられますが、こういうテイストのものだと「帝都」あるいは、「京」が舞台でないのはちょっと珍しい…